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リベラルな民主主義の奇妙な勝利そして停滞

シュロモ・アヴィネリ ヘブライ大学政治学教授

The Strange Triumph of Liberal Democracy

Shlomo Avineri エルサレムにあるヘブライ大学の政治学教授。著作にはThe Social and Political Thoughts of Karl Marxがある。

2012年2月号掲載論文

なぜ20世紀に民主主義が生き残り、ファシズムも共産主義も淘汰されてしまったのか。1930年代から21世紀初頭にいたるまで、ヨーロッパ全域が民主化すると考えるのは現実離れしていたし、リベラルな民主主義が勝利を収める必然性はどこにもなかった。なぜ、社会に提示できるものをもち、圧倒的な力をもっていたマルクス主義がリベラルな民主主義に敗れ去ったのか。そしていまや、多くの人が(民主主義を支える経済制度である)資本主義が経済利益を広く社会に行き渡らせる永続的な流れをもっているかどうか、疑問に感じ始めている。ヨーロッパとアメリカの昨今の現実をみると、民主的政府は危機に適切に対応できず、大衆の要望を満たす行動がとれなくなっている。現在、世界が直面する危機によって、市場原理主義、急激な民営化、新自由主義では、「近代的でグローバル化した経済秩序をどうすれば持続できるか」という問いの完全な答えにはなり得ないことがすでに明らかになりつつある。・・・

  • なぜ民主主義は生き残れたか
  • ファシズムの台頭
  • 戦間期の教訓と戦後体制の構築
  • マルクス主義―果たされなかった約束
  • ソビエトの失敗とマルクス主義
  • 現在の危機とマルクス主義

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